お茶の世界が楽しくなる漫画「へうげもの」
今日は、お茶の世界を面白おかしく描いている漫画のご紹介と、茶道をはじめたきっかけについて書こうと思います。この漫画を読むと、お茶のイメージが全く変わるのではないでしょうか。10年ほど前になるのですが、当時働いていたデザイン事務所で働いていたこともあり、日本の文化、伝統工芸にも興味がありました。
そんな時に事務所に置いてあった「へうげもの」という漫画を読んだことがきっかけでお茶を習いはじめたといっても過言ではありません。へうげものは、戦国時代。千利休の弟子、織部焼で知られる古田織部が茶人(武家)という視点からお茶の世界を独特に面白おかしく描いています。その本を見ると、千利休などの茶人は、お茶を点てるだけではなく、建物の設計、空間デザイン、器作りなどのものづくりから、時代の価値創造、流行をもコントロールするということで、クリエイターであり、さらに政治、経済にも関わるということにまず衝撃を受けました。当時の日本もグローバル化する中で、自国はこのままもっとオープンになっていってよいのかと考えさせるできごとが多いときでした。この漫画と出会い「茶道はデザイン、クリエイターに通じる」何かえられるモノが多くあるのでは⁉と。
そのままのノリですぐに茶道教室へ通うことに。。
はじめての体験は、息も詰まる異様な空間で。。想像以上に感動するものでした!当時iphoneを持ち始め、ひとつの操作でいろんな事ができてしまう時代に、一杯のお茶を飲むだけで、何とも細かい所作があるんだということに、自分が学ぶべく意義があると確信するのです。漫画の中で、織部が利休に招かれて、はじめて茶室に入ったとき「小宇宙かここは。。」と言ったほど、異次元の空間です。稽古に行くたびに新しい発見があるのと同時に、普段生活していて忘れがちな何気ない、日常の良さが再認識されたり。また仕事の事が頭の片隅に残りながら、稽古をしているとアイデアが浮かんだりと、何か不思議な秘めたるものが茶道にはあるんだと。
それはのちのち繋がってくるんですが、茶道は仏道、禅とも関係があり座禅、瞑想の境地に入る要素があると感じます。その漫画では、戦国時代のさなかですが、茶道の視点で描かれており、他で見る戦国時代とは感じるものが違い。戦にでて、やるかやられるかという時代でありながら、茶道などを趣味のような感覚で楽しんでいるさまを感じるのでした。何かモノづくりや、経営などをされている方には、創造力の刺激を得られる漫画でおすすめです。
PS.古田織部は美濃の本巣が出身で京都、大阪に出てくるのですが。私も名がひと文字同じで、岐阜からデザインを学ぶため、大阪堺へ来たことを思うと偶然でも縁を嬉しく思うのです🐒