なぜ今?茶道をおすすめするポイント その2

茶道には色んな道具が使われています。それは丁寧に作家、職人の手で作られてきたものです。

過去の時代では茶碗ひとつで、城が建つともいわれるぐらいの値打ちがつけられたとも言われています。

昨今でも、熟練の作家から、若手の作家が、個性をだしながら、焼き物を作っていて、ちょっとしたムーブメントにもなっていると感じます。人それぞれの個性が、器にでており見事ですね。
話は逸れましたが、茶道をはじめることで、こういった見方をすると楽しくなるのではということを提案いたします。

自分の“目利き”が養われる。

茶碗ひとつとっても、萩焼、有田焼、志野焼、織部焼・・・たかが茶碗されどということで産地により、見た目が変わってきます。

茶碗作りには、良い土を使用する必要があり、自然と山に近いところに、窯が作られています。茶道の稽古では、道具を自然と覚える必要がでてきて、見た目で何焼きかな?とかと想像することもあります。たくさんの道具をお目にかけることもできます。

また先生が良いから良いという物でもなく、自分好みを見つけるのが良いのではないかと考えます。普段の生活でも食事用の器などをお気に入りなどでコーディネートするのも楽しくなるのではないでしょうか。自分自身デザインを生業にしており、インテリアに携わっていた時、当時の師匠から言われたのが

「多くの物を、自分の目で見ることが、良いデザインができるかどうかに左右する。」

ということでした。

その時の自分は、他人の作った物をみることで、真似をしてしまいそうで、自分の内からアイデアがぽんっとでてくるものだと考えていたのですが、案だしには苦労しました。すぐに、師匠の言葉が腑に落ちるのでした。より多くの物をみることで、自分の感覚が養われ「目利き」というスキルとなるのです。セレクトショップなどを経営する方は、目利きの良さで、お客さんがつくといっても過言ではないと思います。

目利きは、生きていく中で色んな場面で役に立つのではないでしょうか。また、茶室、道具というのは空間、インテリアにも通ずると感じるのですが、「夏だから、ガラス製にしよう。」とか「男性がお客だから、ドシッとした器にしよう。」など。

季節や、その時々のケースに合わせて、空間の道具を整えていくことになります。実際のところ、茶道教室の生徒さんは先生が揃えて頂けた道具をみることが一般的ですが、今はこういう時期だから、こういった道具なんだなと想像するのが楽しいと思います。

茶道には、ただそこにあるというよりは、それぞれに意味があることが多いです。お湯を温める、窯には、大きく、風炉と炉があります。炉は畳が四角に切られた底に置かれ、冬場の寒い時期、客人にお釜が近くなるようにという設計だそうです。反対に風炉は、夏場のあつい時期に、客人からお釜が離れたところに置かれるという、理にかなっているのです。

色んな道具を多くみたり、道理を知ることで、日々の生活の見方は変わってくるのではないでしょうか。